エアコンの風が出ない・弱い原因|ファンとフィルターの汚れをチェック

「設定温度を下げているのに効かない」「風がなんだか弱い」――夏のエアコン相談で意外と多いのが、冷えの問題ではなく風そのものが弱い・出にくいケースです。吹出口の場所によって風にムラが出はじめ、進行すると風量「強」でもほとんど風が出なくなってしまうことがあります。

この記事では、メーカー公式の案内と当店の修理現場で多い傾向を区別しながら、風量低下につながりやすいフィルター・送風ファンの汚れ、やってはいけないお手入れ、改善しない場合の相談先までまとめます。

夏場の修理現場で特に多い傾向

当店では、夏場に「風が出ない・風が弱い」という修理相談で現場へうかがうと、エアーフィルターの目詰まりクロスフローファンの汚れが見つかるケースを非常に多く見ます。機種や状態によって原因は異なるため、すべての弱風を汚れだけで断定するものではありませんが、まずこの2か所を順番に確認することが大切です。

目次

こんな症状はありませんか?

  • 風量を「強」にしても風が弱い
  • 吹出口の場所によって風の強さにムラがある
  • 「ボボボボ」「ゴゴゴゴ」と風が出ていそうな音はするのに、手をかざすと風がほとんど来ない
  • 以前より冷えにくくなった・電気代が上がった気がする

シャープの公式サポートでも「風が出ない、風が弱い」は故障診断の症状のひとつとして扱われていて、最初の確認ポイントは「室内機のフィルターにほこりがたまっていませんか?」です。順番に見ていきましょう。

原因① エアーフィルターの目詰まり(まずここを確認)

シャープ公式はフィルターのお手入れページで、「エアーフィルターがホコリなどで目詰まりすると、能力低下による冷房・暖房の効きが悪くなるだけでなく、余分な電力を使ってしまったり、水漏れやカビの発生原因になる場合があります」と案内しています。

さらに公式の節電情報では、フィルターにホコリがつまると冷暖房の効率が低下し、電気代が約5〜10%のムダになるとも。フィルター掃除はご家庭で安全にできる、いちばん効果の大きい対策です。お手入れの手順はお使いの機種の取扱説明書に従ってください(夏前のお手入れ5ステップの記事でも解説しています)。

エアコン内部のフィルターとクロスフローファンに汚れが付くと、風の通り道が狭くなるイメージ図
フィルターと送風ファンの両方が風の通り道に関わります(イメージ図)

原因② 送風ファン(クロスフローファン)の汚れ

フィルターを掃除しても風が戻らないときに、当店の夏場の修理現場で特に多く見られるのが、吹出口の奥にある筒状の送風ファン(クロスフローファン)の汚れです。フィルターを通り抜けた細かなホコリが、冷房運転で生じる水分と混ざって羽根に少しずつ付着すると、羽根と羽根のすき間が狭くなります。

空気をかき出すための通り道が狭くなると、風にムラが出る → だんだん弱くなる → 最終的にほとんど出なくなるという状態につながることがあります。これは当店の現場経験に基づく傾向であり、すべての弱風が汚れだけで起きるという意味ではありません。

きれいなクロスフローファンと、ホコリが付着したクロスフローファンを比較したイメージ図
クロスフローファンの羽根のすき間に汚れがたまると、風量に差が出やすくなります(イメージ図)
ファンの汚れと風量の関係の図解。きれいなファンは風がしっかり出るが、ホコリで目詰まりしたファンは風が弱くムラや異音が出る
※イメージ図:実際とは形状・色が異なります

フィルター自動掃除機能付きの機種でも安心はできません。シャープ公式も「フィルター掃除運転は、エアーフィルターの目づまりによる能力低下を抑えることが目的で、エアコン内部の汚れなどを抑制するものではありません」と明記しています。吹出口の奥に黒い付着物が見える、ニオイが気になるといった場合も、内部の汚れの状態を専門業者にご相談ください(カビ臭の記事も参考に)。

確認するときは、必ず運転を止めて電源プラグを抜いてから、吹出口のルーバーのすき間にライトを当ててのぞいてみてください。羽根のすき間に綿ぼこりがびっしり付いていたら、それが風量低下の正体です。見えても手や道具を入れてこすらないでください(理由は後述)。

「ボボボボ」「ゴゴゴゴ」という音の正体

目詰まりが進むと風切り音も変わることがあります。シャープの故障診断ナビ(公式Q&A「音がする(異音)」からたどれます)でも「エアーフィルターが目詰まりすると風切り音のような音が発生する事があります」と案内されています。修理の現場では「ボボボボ」「ゴゴゴゴ」という重い風切り音と表現されるお客様も多く、音の大きさの割に風が出ていないときは、フィルターやファンの目詰まりを確認するきっかけになります。

ただし、音だけで原因は断定できません。強い振動音・金属音がする、ファンが回っていない、ランプが点滅する場合は、無理に運転を続けず専門業者へご相談ください。

汚れ以外に点検が必要なケース

  • フィルターをお手入れしても、風量がほとんど改善しない
  • 風は十分に出ているのに、冷たい風が出ない・部屋が冷えない
  • 強い振動音・金属音・異常なニオイ・水漏れ・ランプ点滅がある

これらは内部の汚れだけでなく、ファンモーターなどの部品や冷房機能側の点検が必要なことがあります。シャープの故障診断でも「冷えない・冷えが悪い」と「音がする」は別の症状として案内されています。まずフィルターを確認し、改善しない場合や異常がある場合は、型番を控えてご相談ください。

エアコンの音が正常か気になる場合は、エアコンの異音チェックポイントの記事にまとめています。

やってはいけないこと

  • 市販の洗浄・消臭スプレーで内部やファンを洗う ―― シャープ公式は「市販の洗浄剤で洗浄されますと、水漏れ・破損・故障・発煙・発火の原因となる場合があります」とはっきり注意しています。詳しくはスプレーが使えない理由の記事へ。
  • ファンの羽根を布や棒でこする・手で回す ―― 羽根は薄い樹脂製で、変形や破損があると回転のバランスが崩れ、振動や異音がかえって悪化することがあります(修理現場の経験から)。日本冷凍空調工業会も「内部洗浄は、高い専門知識を有する業者に依頼をしてください」としています。

対処の流れ(まとめ)

  1. フィルターを掃除する ―― ご家庭でできる最初の一手。これだけで風量が戻ることも多いです。
  2. 改善しなければ内部クリーニング ―― ファンや内部の汚れは分解・洗浄でしか落とせません。シャープ公式も「エアコンクリーニング(エアコン内部の洗浄)は、ご販売店または弊社訪問サポートセンターにお申し込みください」と案内しています。
  3. 改善しない・破損や変形が疑われる場合は点検を相談 ―― 送風ファンの破損・変形や、ファンモーターなど部品側が原因のこともあります。部品の供給可否は機種・年式で異なるため、形名(型番)を控えて専門業者にご相談ください。

🧽 エアコンクリーニングのご相談・受付(WEB)

フィルター掃除後も風量が戻らない、吹出口の奥の汚れが気になる場合は、エアコンクリーニングのご相談・受付をWEBフォームで承ります。風は出ているのに冷えない場合は、エアコンが冷えない原因の記事もご確認ください。

エアコンクリーニング相談・受付フォームへ

よくある質問

Q. フィルターを掃除しても風が弱いままです。故障でしょうか?
A. 内部の送風ファンの汚れは原因の一つです。ファンはお客様ご自身では洗浄しにくい構造のため、エアコンクリーニングをご検討ください。改善しない場合は、ファンモーターなど部品側の点検が必要なことがあります。

Q. 市販の洗浄スプレーでファンを掃除してもいいですか?
A. おすすめできません。シャープ公式が、水漏れ・破損・故障・発煙・発火の原因となる場合があると注意喚起しています。内部の洗浄は販売店・専門業者にご相談ください。

Q. 風は弱いけれど冷たい風は出ています。そのまま使っても大丈夫?
A. 風量が落ちたまま使うと効率が下がり、公式案内では電気代が約5〜10%のムダになるとされています。冷えの悪化や水漏れ・カビの原因にもなるため、早めのフィルター掃除・クリーニングをおすすめします。


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