涼しくなってから、除湿機のタンクに水がほとんどたまらない、運転しているのに除湿していない気がする――。故障を疑う前に知っておいてほしいのが、シャープの取扱説明書やメーカーのサービス資料にある「室温や湿度が低いと除湿量は少なくなる」「条件によっては自動的に送風運転に切り替わり、除湿しない」という考え方です。実は故障ではないケースが多い症状です。確認の順番を解説します。
まず結論|3つを確認すれば大半は説明がつく
- 運転モード:「除湿(自動)」「おまかせ」や「衣類消臭」で運転していないか
- 部屋の温度と湿度:寒い・乾いている部屋では、そもそも取れる水が少ない
- 吸込口(後ろパネル)の汚れやふさぎ:空気を吸えないと除湿できない
この3つに当てはまらず、除湿(強)で2〜3時間運転しても水がたまらない時に、初めて故障を疑います(シャープFAQの案内)。
「除湿しない」は仕様のことがある|送風運転に切り替わる条件
シャープの衣類乾燥除湿機は、次のような時は圧縮機(コンプレッサー)を止めて送風運転になり、除湿しません。例:CV-T71 の取扱説明書の記載です(数値は機種・年式により異なります)。
- 除湿(自動)運転で、温度や湿度が低い時:自動運転は部屋の温度に合わせた湿度を目指して、除湿と送風を切り替えます。CV-T71 では目安が室温4〜24℃なら湿度60%、24〜28℃なら55%、28〜38℃なら45%。すでにその湿度より低ければ、送風だけになります
- 室温が約4℃より低い時:タンクの水が凍らないようにするため
- 室温が約38℃より高い時:保護装置が働くため(湿度が高いと、それより低い室温でも働くことがあります)
- 湿度が約30%より低い時:部屋が乾きすぎるのを防ぐため
- 電源プラグを差した直後や、運転を止めた直後:約3分間は送風運転
さらに、室温が約18℃より低いと「霜取り」が入ります。CV-T71 では約45分に1回、約12分ほど除湿を止めて送風運転をし、部屋が寒いほど止まっている時間が長くなります。そのため水がたまりにくくなります。
数値は機種で違います。たとえば少し前の CV-G71 の取扱説明書では、送風に切り替わる下限が約3℃、霜取りが入るのは約15℃以下と書かれています。お使いの機種の取扱説明書の「こんなときは?」で確認してください。また、使用環境によっては湿度を50%以下に保つことはできないとも明記されています。
💡「おまかせ」は「いつも除湿」ではありません:当店で確認したメーカーのサービス資料(QAZ-120・2019年)では、CV-G71・CV-G120・CV-H71 について「除湿しない」「水がたまらない」という問い合わせが多いとして、販売店向けに確認事項がまとめられています。そこでは、2017年発売のCV-Gシリーズと2018年発売のCV-H71までは「除湿(おまかせ)」という名前だったものの、「おまかせ=常に除湿する運転」と受け取られることがあったため、2018年度以降の新製品では「除湿(自動)」に名前を変えた、と説明されています。名前が違っても、湿度が十分低ければ除湿を休む運転だということです。
しっかり水を取りたい時は「強」か「弱」の除湿運転に
- 除湿(強)/除湿(弱)に切り替える:メーカーのサービス資料とFAQでは、除湿させたい時は運転モードを「強」「弱」にするよう案内しています。FAQでは風量を「強」にして約2〜3時間運転して様子を見るよう書かれています
- 「衣類消臭」「内部乾燥」になっていないか:これらは除湿をしない運転です。衣類乾燥か除湿運転を選び直してください
- 連続排水ホースを付けていないか:連続排水に対応した機種でホースをつないでいると、水はタンクではなくホースから出ていきます
- 最初にタンクへ水を入れない:水は運転中に少しずつたまっていくものなので、呼び水は不要です(シャープFAQ)
吸込口(後ろパネル)の汚れ・ふさぎを確認
取扱説明書では、吸込口(機種により「後ろパネル」)が汚れていないか、吹出口や吸込口が物でふさがれていないかも確認項目に入っています。壁にぴったり付けていたり、洗濯物が吸込口にかぶさっていたりしないか見てください。後ろパネルの掃除方法は 除湿機の後ろパネル掃除(2週間に1回が目安) にまとめています。後ろパネルが割れた・変形した場合は部品だけ交換できる機種もあります(純正 後ろパネル 2023370089、対応機種は商品ページでご確認ください)。
部屋の条件も効いています
- 部屋が広すぎないか:適用床面積を目安に。広い部屋ほど湿度は下がりにくくなります
- 窓やドアの開け閉めが多くないか、加湿器など水蒸気の出るものを使っていないか
- 部屋が暖かくなるのは正常:除湿運転中は吹出口から暖かい風が出るため、閉め切った部屋では室温が上がります(CV-T71 では条件により2〜5℃前後)
故障を疑う目安と、相談の前に
シャープのFAQでは、上の「送風運転に切り替わる条件」に当てはまらず、後ろパネルの掃除や吸込口の確認、風量「強」で2〜3時間の運転を試しても改善しない場合は、故障の可能性があるとしています。その場合は、お買いあげの販売店かシャープのWeb修理申し込みへの相談になります。
- メーカー保証:例:CV-T71 は本体1年、放熱器・圧縮機・毛細管・冷却器・配管は3年。冷やして水を取る仕組みの中心部分は保証が長めです(保証の考え方)
- 部品の保有期間:除湿機は製造打ち切りから8年(CV-T71 の取扱説明書)。保有期間の一覧
- ご相談時に添えていただきたいこと:型番、運転モード、部屋のおおよその温度と湿度、どのくらい運転して水がどれだけたまったか
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本記事は、シャープの衣類乾燥除湿機 CV-T71・CV-G71 の取扱説明書、シャープ公式のよくあるご質問(Q&A番号174720・160201・130684・132248)、メーカーのサービス資料QAZ-120(2019年・CV-G71(代))を当店で確認のうえ執筆しています。送風運転に切り替わる温度・湿度、霜取りの条件、運転モードの名前、連続排水の可否は機種により異なります。
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