乾燥運転のあと、洗濯機の下の床がぬれている、あるいは乾燥が終わったあと本体の中から蒸気が漏れているようだ――。ドラム式の「乾燥後の水」は、原因がいくつかに分かれます。床が少し湿る程度なら、シャープ公式でも「結露」の可能性が挙げられており、換気で防げることがあります。一方で、一部の機種では「乾燥をくり返すと水が漏れる」「乾燥後に内部で蒸気が漏れる」という事例がメーカーのサービス資料にまとめられていて、型番と製造番号で対象かどうかを調べられます。修理のプロの目線で、見分け方を順に解説します。
まず結論|使用を止める目安と、起きた状況を確認

- 床が少し湿る程度・冬や湿気の多い日だけ → 結露の可能性(STEP1)
- 乾燥フィルターのまわりや洗剤投入部の中がぬれている → 取扱説明書では異常ではないとされています(STEP1)
- ES-V11A・ES-V11B・ES-V12C・ES-G11B・ES-G11Cで、湿気の多い場所で乾燥をくり返すと水が漏れる → メーカー資料にある既知の事例(ケース1)
- 業務用のコイン式 ES-HD63L代で、乾燥後に本体内部で蒸気が漏れる → 同じく既知の事例(ケース2)
- 毎回はっきり水たまりができる・どこから漏れているかわからない → 故障の可能性があります。使用を中止してご相談ください
STEP1|結露の可能性と、湿気でぬれる場所を確認する
シャープの故障診断ナビ(ドラム式洗濯乾燥機)では、前面や底面から水が漏れるとき、修理を頼む前に次の点を確認するよう案内しています。
- ドアパッキンに洗濯物がはさまっていないか、糸くずやゴミがたまっていないか:すき間ができて水漏れの原因になります
- 結露で床がぬれていないか:床に少し水がたまる程度なら、洗濯槽の外側が結露して床をぬらしていることがあります。設置場所の湿度が高く、槽の中と部屋の温度差が大きいときに起きやすく、冬に乾燥運転をしたときが例に挙げられています(ほかに、夏に冷たい水で洗ったとき・冬にふろ水やお湯で洗ったとき)
結露への対策として公式が案内しているのは、洗濯や乾燥をするときに換気をすることです。洗面所の換気扇を回す、扉を少し開けておくなど、湿気がこもらないようにしてみてください。少量でもぬれが続く・増える・判断できない場合は、結露と決めつけず、使用を止めて相談してください。

取扱説明書にも「ぬれていても異常ではない」場所があります。例:ES-V11Aの取扱説明書では、乾燥フィルターの周囲や洗剤投入部の内部は、運転中(特に気温が低いとき)の湿気でぬれていることがあるが異常ではないとされています。ただし放置するとにおいやカビの原因になるので、電源を切り、プラグを抜き、熱が冷めてから乾いた布で拭き取ります(機種により異なります)。床へ流れ出る水や本体内部の蒸気漏れまで「異常なし」という意味ではありません。

💡ドアの下側がぬれるときは「水抜き穴」も:故障診断ナビでは、ドアパッキンの下側をめくった奥の水抜き穴に糸くずや毛が詰まると、水がうまく流れないと説明しています。お手入れ方法と位置は機種の取扱説明書・公式案内を確認してください。水漏れの原因や安全が確認できない状態で、試しに水を注いだり、運転を繰り返したりしないでください。
ケース1|ES-V11A代:湿気の多い場所で乾燥をくり返すと水漏れ

ES-V11Aなどでは、「乾燥運転をくり返すと水が漏れることがある」という事例が、メーカーのサービス資料(テクニカルレポートRES-161・2023年7月発行、2026年3月に適用期限を延長した改訂版)にまとめられています。
- 対象:ES-V11A・ES-V11B・ES-V12C・ES-G11B・ES-G11C(左開き・右開き)。資料では製造番号ではなく、型番で対象が示されています
- 症状:湿気の多い環境で乾燥運転をくり返すと、水が漏れる
- しくみ:これらはヒートポンプで乾かす機種で、洗濯物から出た湿気を冷やして水にする部分(熱交換器)があります。そのまわりにわずかなすき間があると、湿った空気が冷えた配管のほうへ流れて結露し、たまった水が内部のあふれ防止の出口からあふれ出る、と説明されています
- 原因:ES-V11Aは部品の成形のばらつき、ES-V11B・ES-V12C・ES-G11B・ES-G11Cは組立て時のばらつきとされています。つまり同じ型番のすべての製品で起きるわけではありません
- 対応:メーカーのサービスが、手順に沿って本体内部のすき間を埋める処置をする形です
処置には本体の分解が必要です。ご家庭で分解せず、点検・修理を依頼してください。換気をすれば結露は起きにくくなりますが、すき間そのものは換気では解消しないため、該当する機種で「乾燥を続けて使うと床がぬれる」ことが繰り返されるなら、一度ご相談ください。この資料は2027年3月31日までの適用とされています。費用や対応の可否は個別にご確認ください。
ケース2|業務用 ES-HD63L代:乾燥運転後に内部で蒸気漏れ

寮・ホテル・コインランドリーなどで使われるコイン式全自動洗濯乾燥機 ES-HD63Lとその仲間の機種には、「乾燥運転後、製品内部に蒸気が漏れる」という事例がメーカーの資料(テクニカルレポートRES-162・2024年2月発行、2026年3月に適用期限を延長した改訂版)にまとめられています。
- 対象:ES-HD630・ES-HD63Pは全数、ES-HD63Lは一部の製造番号が対象です
- 原因:空気を取り込むダクトのじゃばら部分が破れることによるもの
- 対応:じゃばらの数や太さを変えて、伸び縮みへの強さ(長く使っても傷みにくいこと)を高めた対策品のダクトへ交換
こちらも適用期限は2027年3月31日までとされています。施設で管理されている方は、型番と製造番号(本体の銘板に記載)を控えて、設置業者・保守の窓口、または当店へご相談ください。
床まで水が広がる・漏れる場所がわからないとき

故障診断ナビでは、背面から漏れる場合や、漏れている場所がわからない場合は、本体の故障の可能性があるとしています。床に水が広がるようなら、次の順で落ち着いて対処してください。
- 運転を止め、水栓を閉める:安全に操作できる場合に行います。本体を傾けたり、引き出したりしないでください
- 電源プラグを抜く:手・プラグ・コンセントが乾き、安全に届く場合だけ抜きます。ぬれたプラグや水たまりには触れないでください。安全な乾いた場所から操作できる場合は該当回路のブレーカーを切り、安全に対処できなければ近づかず専門窓口へ相談してください
- どこから・いつ漏れたかをメモ:給水中・排水中・乾燥後など。写真があると確実です
給水ホースや排水ホースなど、場所ごとの原因は 洗濯機の水漏れはどこから?場所別の原因 にまとめています。
乾燥中に排水口から「ポコポコ」音がするときは
乾燥中の症状で、水漏れと一緒に相談されやすいのが排水口からの音です。故障診断ナビでは、洗濯機の真下に排水口がある設置で、本体の中に「排水トラップ」をつくらずにホースをつないでいると、乾燥中に温風が排水口へ流れ込み「ポコポコ」と鳴ることがある、本体の故障ではない、と説明しています(ES-V11代・ES-V12C・ES-G11代なども対象機種に含まれています)。
この場合は設置のしかたの見直しになります。詳しくは ドラム式の排水まわり(ポコポコ音・乾燥後の異臭) をご覧ください。排水トラップをつくるための純正部品として、当店では ドラム式洗濯乾燥機 ホースフックセット 2106840594 も扱っています(適合は型番でお調べします)。
相談の目安

次の点を添えてご相談いただければ、結露なのか、既知の事例に当てはまるのかを含めてお調べしてご案内します。
- 型番と製造番号(同じラベルに記載 → 型番の調べ方)
- いつ漏れるか(乾燥のあと毎回? 乾燥を何回か続けたあと? 冬だけ?)
- 水の量と場所(床が湿る程度か、水たまりか/本体の前か後ろか)
- 設置場所の様子(洗面所の換気扇の有無、窓の有無など)
ドアパッキンや乾燥フィルターなど、部品のお取り寄せもご相談ください。→ 純正部品の取り寄せ方法|正規取扱店ガイド
関連コラム
洗濯機の水漏れはどこから?/乾燥後にドアを開けると水がポタポタ(シャワーノズル)/糸くずフィルターから水が漏れる/ドラム式の排水まわり・ポコポコ音/乾燥時間が長いのは乾燥経路の汚れかも
本記事はシャープのテクニカルレポートRES-161(2023年7月発行・2026年3月改訂・ES-V11A代)、RES-162(2024年2月発行・2026年3月改訂・ES-HD63L代)、シャープ公式の故障診断ナビ(ドラム式洗濯乾燥機:水漏れする/乾燥中のポコポコ音)、ES-V11A取扱説明書、ES-HD63L製品ページの記載を当店で確認のうえ執筆しています(2026年9月確認)。対象機種・対応方法・適用期限は資料の改訂により変わることがあります。お手入れの方法や部品の位置は機種により異なります。
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