「穴なし槽だからカビとは無縁のはず」と思っていたのに、洗濯槽がなんだか臭う・黒いカスが付く――。シャープの穴なし槽でもいただくご相談です。穴なし槽は洗濯水を槽の内側だけにためる構造ですが、ニオイの元は「槽の外側」やパルセーターの裏、排水口にたまることがあります。対策のカギは、槽の「内側/外側両方」を洗う専用の槽洗浄と、そのための排水ホースの掛け方です。シャープ公式の手順を、つまずきやすい点と一緒にまとめました。
穴なし槽でも臭うのはなぜ?|汚れは「外側」と「排水口」
例:ES-GE6H(全自動洗濯機・穴なし槽)の取扱説明書では、穴なし槽は運転中に槽の内側にだけ水がたまり、槽の外側の黒カビや汚れが洗濯の水に混ざりにくい構造と説明しています。そのうえで、ニオイが気になるときは槽の外側も洗浄すると改善する場合があるとしています。
- 槽の外側・パルセーターの裏:公式Q&A(文書番号137526・145513)では、皮脂汚れや洗剤カスに雑菌が増えてニオイの原因になると案内しています
- 排水口:公式Q&A(文書番号162691)では、槽の内側を洗ってもニオイが残るときは、排水口からにおいが出ている場合があるとしています。排水口に排水トラップが付いていないことが原因なら、水回りの修理業者への相談が必要です
- 槽の内側の白い汚れ:洗剤成分や水のミネラル分が乾いたものです。濡らして固く絞った布で早めに拭き取り、こびりついたら台所用のクレンザーで磨いてからよく拭き取るよう案内されています
お使いの洗濯機が穴なし槽かどうかは、洗濯槽の内側の壁に小さな穴(脱水穴)が並んでいるかで見分けられます。例として、公式Q&Aで「内側/外側両方」の槽洗浄が案内されている機種には、ES-GE6H・ES-GVシリーズ・ES-KSV9シリーズ・ES-TX820などがあります。
穴なし槽で汚れがたまりやすい場所|「穴なし槽なのに槽洗浄は必要?」への公式回答
結論:穴なし槽でも槽洗浄は必要です。シャープの公式Q&Aでは、穴なし槽は槽の外側の汚れが槽の中に入らない構造としたうえで、お洗濯をくり返すと槽の内側にも洗剤カス・水アカ・糸くずがたまり、カビの原因になる場合があると説明しています。たまりやすいのは次の3か所です。
- 洗濯槽の中の底面
- 糸くずフィルターの取付枠の内部:取付枠に液体洗剤・液体漂白剤の投入口がある機種は、投入口の内部にも汚れがたまることがあります
- パルセーター(槽の底で回る羽根)の裏側
洗濯物に汚れが付く・生臭いニオイ(カビ臭)がするときが、槽洗浄のサインです。
- ふだんは「内側のみ」を1〜2カ月ごとに:排水ホースは排水口から外さずに行います
- 長く使っている・「内側のみ」でも臭うときは「内側/外側両方」:長く使うと、槽の外側や排水ホースの内部の汚れがカビ臭の原因になる場合があるためです(やり方は下の手順へ)
- 汚れをためにくい洗い方:槽内の汚れが気になる場合は、液体洗剤を使い「注水すすぎ」を設定したお洗濯がすすめられています(設定のしかたは機種の取扱説明書へ)
市販の洗濯槽クリーナーも使えますが、衣類への汚れ移りやカビ臭が気になる場合は、シャープ別売の塩素系クリーナーがすすめられています。糸くずフィルターのお手入れは → 糸くずフィルターのカビを防ぐ5つの対策
公式の「3段階」|軽いお手入れから順に
公式Q&A(文書番号162691、例:ES-GE6Hなど)では、汚れの程度で次のように使い分けるよう案内しています。
- ①思いついたときに「槽クリーン」:約3分の運転で、パルセーターの裏や槽の外側の汚れをきれいな水で洗い流します
- ②ニオイや汚れが気になったら「内側のみ」の槽洗浄(表示CL):つけおき時間は6時間以上に設定。クリーナーはシャープ別売の塩素系をすすめています
- ③それでも臭うなら、排水口を掃除してから「内側/外側両方」の槽洗浄(表示CC):こちらもつけおきは6時間以上
例:ES-GE6Hの取扱説明書では、クリーナーは塩素系を使い、酸素系は泡が多量に出て故障の原因になるとされています。シャープ純正の塩素系クリーナーは、タテ型用の 洗濯槽クリーナー ES-CN(1個はこちら)です。ドラム式用のES-CDとの違いは → ES-CNとES-CDの違い。
「内側/外側両方」の槽洗浄のやり方(CCモード)
シャープ公式の説明書(槽の内側/外側両方の洗浄)の流れです。ボタンの名前は機種により異なります。
- ①排水ホースを本体のホース掛けに掛ける:ここが最大のポイント(下で詳しく)
- ②洗濯槽クリーナーを入れてふたを閉める:洗濯物は絶対に入れません。運転中は換気を十分に
- ③電源「切」の状態から、決められたボタンを押しながら電源を入れる:「洗い」ボタンのある機種は「洗い」、ない機種は「槽クリーン」を押しながら電源「入」
- ④「コース」ボタンで表示を「CC」にしてスタート:つけおき時間は6時間以上に。給水が始まり、つけおき洗浄をします
- ⑤つけおきが終わると自動で一時停止:お知らせ音が止まっても一時停止のままです
- ⑥洗浄液をバケツで抜く:バケツを添えて排水ホースを外し、出てきた液を受けます。いっぱいになったらホース掛けに戻す、をくり返し、出なくなったら排水口に接続します。最初は勢いよく出るので、あふれに注意
- ⑦「スタート」で再開:すすぎ・脱水で仕上げます
つまずきポイント|排水ホースが短くてホース掛けに届かない
穴なし槽で外側まで洗うときは、排水ホースを本体のホース掛けに立てておかないと、洗浄液がホースから流れ出てしまう構造です。公式の説明書では、立てないと床に洗浄液があふれ、エラー(E01・E1)が出るとされています。
- 設置のときに排水ホースを切ってしまった:ホースが短く掛けられない場合は、別売の「排水ホースつぎてセット」や「延長用排水ホース」で先に延長しておくよう案内されています。当店では 純正 延長用排水ホース 2103600575 のお取り寄せを承っています(適合は型番で確認します)
- 5.5〜8.0kgのステンレス槽タイプ:公式の設置案内でも、排水ホースを切るとホース掛けに掛けられず、「槽の外側の洗浄」ができなくなると注意されています
排水口まわりの掃除のしかたは → タテ型の排水まわりの確認ポイント。
槽洗浄コースがない機種・それでも改善しない場合
槽洗浄コースのない穴なし槽の機種には、公式の「槽のお手入れ」ページに別の手順があります。要点は、排水ホースをホース掛けに掛け、「毛布コース(洗いのみ)」(ない機種は「大物コース」)でクリーナーを溶かし、「脱水のみ」をふたを開けたままスタートして外側まで液を行き渡らせ、6〜12時間放置するという流れです。液の抜き方は上の⑥と同じ要領です。
槽洗浄をくり返しても黒いカスが出続ける場合、公式の案内では、槽洗浄をしてもカビを完全には取り除けないため、分解して洗うクリーニング(シャープの有償サービス)が必要になるとしています。洗濯槽の分解はご家庭ではおすすめしません。日ごろは、洗濯後にふたを開けて槽の中の風通しをよくし、新しいうちから定期的に槽洗浄をするのが予防になります(→ 槽乾燥コースの使い方)。
関連コラム
市販クリーナーで改善しない時/槽洗浄は10時間かかって大丈夫?/ES-CNとES-CDの違い/タテ型の排水まわり/槽乾燥コースの使い方
本記事はシャープ公式Q&A(文書番号162691・137526・145513)、公式の説明書「槽の内側/外側両方の洗浄」、公式ページ「槽のお手入れ(全自動洗濯機/槽洗浄コースがない穴なし槽)」「全自動洗濯機の排水ホースの接続と処理」、ES-GE6H(全自動洗濯機)取扱説明書の記載を当店で確認のうえ執筆しています。槽洗浄の操作・表示・つけおき時間は機種により異なります。
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