ドラム式洗濯乾燥機の洗剤・柔軟剤の自動投入は、一度設定すれば毎回量らなくていい便利な機能です。ところが「タンクの洗剤がいつまでも減らない」「泡が多くて入りすぎている気がする」というご相談をいただくことがあります。実は自動投入は、タンクに入れただけでは正しく働きません。「基準量」の設定と半年ごとのタンク・経路のお手入れがポイントです。シャープの取扱説明書(ES-X12C・ES-8XS1)で確認した手順と、確認しても直らないときに考えられる原因を解説します。
自動投入は「3つの準備」がそろって初めて働く
ES-X12Cの取扱説明書では、工場出荷時は「自動投入しない(手動投入)」設定になっていて、初めて使うときや洗剤・柔軟剤の銘柄を変えたときは、必ず次の①〜③を行うよう案内されています。
① 基準量の設定(いちばん大事)
- 電源「切」の状態で、電源スイッチを「ピーッ」と鳴るまで長押し(約4秒)して設定モードに入る
- 「自動投入」キーで、洗剤と柔軟剤のどちらを設定するか選ぶ(それぞれ設定が必要)
- 上下のキーで基準量を1mLずつ合わせ、「スタート」で決定
基準量とは「水30Lに対する使用量」のことで、洗剤や柔軟剤の容器に書かれています(書かれていない場合は洗剤メーカーに確認)。設定できるのは3〜30mLで、工場出荷時は洗剤・柔軟剤とも10mLです。ES-8XS1の取扱説明書では、基準量が30mLを超える洗剤類は設定できないため自動投入は使えず、手動投入で使うよう案内されています。なお、上下を担当するキーは機種で異なります(ES-X12CとES-8XS1でも配置が違います)。
② 自動投入の設定
電源を入れて「自動投入」キーをタッチするたびに、「洗剤と柔軟剤の両方」→「洗剤のみ」→「柔軟剤のみ」→「自動投入しない」と切り替わります。選んで「スタート」をタッチすると記憶されます(運転も始まるので、運転しない場合は電源を切ります)。
③ タンクに入れる
- タンクに入れられるのは液体合成洗剤と柔軟剤だけ。粉末洗剤、おしゃれ着用の中性洗剤、ジェルボール、漂白剤、香り付けビーズなどは入れられません(漂白剤は手動投入部へ)
- 容量はES-X12Cで各約600mL。「これ以下」の表示より多く入れない
- 入れたら透明窓をきちんと閉める。開けたままにすると、洗剤がゼリー状になったり、フィルターや経路が詰まる原因になります
「洗剤が減らない」と感じたときの確認
- 自動投入の設定になっているか:電源を入れたとき、「自動投入」キーの上に「洗剤」「柔軟剤」の表示が出ていますか。消えていれば手動投入の設定です
- 自動投入されないコースではないか:槽洗浄など、一部のコースでは自動投入されません
- もともと1回の量が少ない:ES-X12Cの取扱説明書では、基準量10mL・洗濯量4.5kgの場合、「これ以下」まで入れて洗剤は約40回・柔軟剤は約30回使える目安です(ES-8XS1では洗剤約31回・柔軟剤約30回)。1回分はわずかなので、減っていないように見えることがあります
- 経路やタンクフィルターが詰まっていないか:後述のお手入れをしてみてください
- お手入れしても「洗剤」「柔軟剤」の表示が点滅する:ES-8XS1の取扱説明書では、タンクの中で洗剤や柔軟剤が固まっている場合があるとして、約40℃のお湯で洗い流すよう案内されています
💡補充の合図:タンクが残り少なくなると、操作部の「洗剤」「柔軟剤」表示が点滅してお知らせします。点滅し始めてから使えるのは2〜5回程度が目安で、点滅したまま使い続けると運転中に自動投入できなくなることがあります(ES-X12C・ES-8XS1の取扱説明書より)。
「入りすぎる・泡が多い」と感じたときの確認
- 基準量が今の洗剤と合っているか:銘柄を変えたのに基準量を設定し直していない、というケースが考えられます。多すぎると泡が増えて汚れ落ちやすすぎが悪くなり、内部に糸くずがたまって乾燥能力が落ちる原因にも。少なすぎると汚れ落ちや柔軟剤の効果が下がります
- 手動投入部にも洗剤を入れていないか:自動投入のときに手動投入部にも入れると、入れすぎになり、泡が大量に出て脱水できないなどの不具合が起こる場合があります
- 違う銘柄を混ぜていないか:同じ基準量の洗剤同士でも、混ぜると正しく計量できなくなります。継ぎ足しは同じ銘柄だけにしてください
- 洗剤と柔軟剤を入れ間違えていないか:タンクを取り出して別の容器に移し、お手入れしてから正しく入れ直します
洗剤の入れすぎがニオイや乾燥不良につながる理由は 洗剤・柔軟剤の入れすぎは逆効果 で詳しく解説しています。
タンクと経路のお手入れ|6カ月ごとが目安
ES-X12Cの取扱説明書では、6カ月ごとのほか、銘柄を変えるとき・1カ月以上自動投入を使わなかったとき・透明窓を開けたまま放置したとき・入れ間違えたとき・タンク内がゼリー状になったときにお手入れするよう案内されています。
- タンクを取り出して水洗い:まっすぐ持ち上げて外し(洗剤が垂れるのでタオルで受ける)、タンクとふたをぬめりが取れるまで洗う。残った洗剤は再利用しない。本体側は水を含ませた布で拭く
- タンクに水を入れて戻す:「これ以下」表示まで水を入れてセット(約40℃以下のお湯だと洗浄効果が高まります)
- 経路の洗浄モード:水栓を開けて電源を入れ、「自動投入」キーを約3秒以上長押し→洗浄したいタンクを選ぶ(洗剤のみ・柔軟剤のみ約3分、両方約5分)→「スタート」。洗濯物は入れません
- 終わったら:タンクの水を捨てて水分を拭き取り、洗剤・柔軟剤を入れて確実に押し込む
タンクをはずした底にあるタンクフィルターも、詰まっていれば外して水洗いできます。お手入れ後にタンクやフィルターを付け忘れると自動投入されない原因になるので、必ず元に戻してください。
確認しても直らないときは「部品」や「制御ソフト」の可能性も
設定とお手入れを確認しても症状が変わらない場合、故障の可能性があります。メーカーのサービス資料では、ES-12X1のサービスマニュアルのトラブルシューティングに「洗剤・柔軟剤が自動投入されない、または投入量が多い・少ない」「数回の洗濯でタンクが空になる」という診断項目が設けられています。つまり、使い方ではなく自動投入の部品側の不具合で起きることもある、ということです。部品の点検・交換には本体の分解が必要になるため、ご家庭での分解はおすすめしません。
またES-8XS1では、一部の製造番号で、ダウンロードコースを自動投入で運転しているのに、誤って「手動投入」の音声や表示が出てしまう制御ソフトの不具合がメーカーのサービス資料(テクニカルレポートRES-171・2026年5月)にまとめられており、メーカーサービスがソフトを書き換えて対応することになっています。対象かどうかは型番と製造番号で調べられます → 型番の調べ方
ご相談の際は、型番(できれば製造番号も)・症状(減らない/入りすぎる/表示がおかしい)・使っている洗剤と設定した基準量をお知らせいただくと、切り分けがスムーズです。部品のお取り寄せについては → 純正部品の取り寄せ方法
スマホアプリで洗剤の銘柄を登録すると、最適な量を自動投入できる機種もあります → シャープのアプリ「COCORO HOME」入門
関連コラム
柔軟剤が投入口に残る・柔軟剤タンクの洗い方/洗剤・柔軟剤の入れすぎは逆効果/ドラム式の音が鳴らなくなった(RES-171にも言及)/ドラム式の乾燥時間が長い原因/COCOROアプリ入門
本記事はシャープの取扱説明書(ES-X12C・ES-8XS1)、サービスマニュアル(ES-12X1)、テクニカルレポートRES-171(2026年5月)の記載を当店で確認のうえ執筆しています。自動投入の有無、基準量の設定範囲、キーの配置、タンク容量、お手入れの手順は機種や年式により異なります。ソフト書き換え対応の対象範囲や費用については、個別にご確認ください。
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